メッセージ86

2005年9月26日(必要な方はダウンロードしてください)

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タ イ ト ル 賛  美  名



「あわれみの心」



「君は愛されるため生れた」

〔ルカ14:1〜6〕

「ある安息日に、食事をしようとして、パリサイ派のある指導者の家にはいられたとき、みんながじっとイエスを見つめていた。

そこには、イエスの真正面に、水腫をわずらっている人がいた。

イエスは、律法の専門家、パリサイ人たちに、「安息日に病気を直すことは正しいことですか、それともよくないことですか。」と言われた。

しかし、彼らは黙っていた。それで、イエスはその人を抱いて直してやり、そしてお帰しになった。

それから、彼らに言われた。「自分の息子や牛が井戸に落ちたのに、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者があなたがたのうちにいるでしょ

うか。」


はれるや! 皆様、またまた、非常ーーーにご無沙汰しております。

この頃思いますのに、福音の本質とはナンだろうか?

本当に現代のキリスト教会は、キリストの福音について、十分に理解しているのだろうか? なにかがおかしい。ぜったいにおかしい。

福音について、恵みについて理解し出してから、私の信仰生活は変わりました。約25年間続いた信仰生活のあり方が変化したのです。

長い間、なんとかクリスチャンらしく振舞い、牧師らしく忍耐し、いつも笑顔で、言葉遣いに気を付け、決して怒らず、全ての悪を赦し、全ての人と平和を保ち、自分の意見を言わず、いつも柔和な態度で・・・・・・と、ひたすら人の目を気にし、自分が原因でつまずかないようにと、努力してまいりました。

しかし・・・もう正直疲れたのです。「こんなんが神の子供の生活じゃあない! もっと楽しく、嬉しく、自由で・・・」

今は「悔い改め」て(考え方を変える)、いわゆる「地」で生活しております。

そしたら今まで隠れていた本当の自分が出るわ出るわ。

一つの出来事を通して神様は気付かせてくれました。(人様と喧嘩しました)

自分自身、今までは結構柔和で気の長い性格だと思っていましたのに、とんでもございません。いかに短気で怒りっぽい人間であるかを教えられたのです。

さて本文のみ言葉は、土曜日の安息日に、イエス様と弟子達がある家に招待され、食事会に参加されたときの出来事です。その家はパリサイ派の指導者(金持ち・宗教的権力者)で、恐らくなにかの魂胆があって、イエス様を落とし入れようと、食事に招いたと思われます。イエス様もご自分が一番毛嫌いしているパリサイ人の家に何で入ったのでしょうか。

そしてイエス様の正面には、わざとらしく水腫を患っている病人が座っていました。テーブルに座った全ての人の目は、イエス様を見つめていたのです。

当時のイスラエル国の律法では、安息日に仕事をしてはいけなかったのです。ですから病気を癒す事も仕事になるので、罪と定められました。

イエス様はどうされたのでしょうか。この個所にあるイエス様のいやしの方法は特別です。水ぶくれで苦しそうにしているあわれな人の席に行かれました。そしてギュッと抱きしめていやし、この場から離れて家に帰るようにされました。

この家の主人にとって、水腫の病人を、イエス様を落としこめる道具としてしか見ていませんでした。しかしイエス様は、ただかわいそうに思って、いやされたのです。

イエス様は、宗教指導者達が律法を一生懸命守ろうとしていること、しかしそれは彼らが上辺だけを守っていること、自分の力で守ろうとしている事を、よく知っておられました。

そこでイエス様は、「そうじゃあないんだ。神の与えた律法の本質はこうなんだ。上辺ではなく中身が大切なんだ」と実行されたのです。

今日のキリスト教会で「あわれみの心」は存在しているでしょうか。

毎日のように、メールでの人生相談や信仰相談がございます。ある姉妹と何度かメールでやりとりをしましたが、彼女は洗礼を受けて1年の方です。「神様の愛がわからない。早く死にたい。神はひどい」というメールでした。早速、返信をしましたら、同じ様な内容で返信が来ました。3〜4回続きました。もうアカンなあと思いながらも、辛抱強く返信しておりましたら、少しづつですが、内容を詳しく書いてこられたのです。

「親から精神的な圧迫を受けてきたこと・教会で牧師夫人にきついことを言われてきたこと・家にも教会にも安らぎの場所がないこと・先に亡くなった姉の元に行きたいこと等。」

そして返信しました。「教会に行かなくていいこと・イエス様はあなたを見捨てないこと・住所を教えてくださったら、信仰書や賛美のテープ等をプレゼントしたい」と返信したのです。

すると住所と共に返信があり、今まで何人かの牧師に相談したのですが、親身になってもらえなかったり、途中で急に返信をもらえなくなったりしたことが続いていたそうです。

そして最後の〆の言葉は、再び神様を信じつづけるというものでした。はれるや。

あんまり嬉しくて、もうこれでもかというぐらいたっぷり大きな封筒に詰めて送らせてもらいました。神様が私にあわれみの心を注いでくださったのです。

皆さん、神の子供達が人に対するあわれみの心を無くしたら、この世はどうなるのでしょうか。特に教会の指導者達の責任は大きいのです。

愛を説く・愛が実践されているはずの教会で、人々は虐待され・おろそかにされ・こき使われている現実があります。

そのような教会から人が離れていくのは当然ではありませんか。喜んでお勧めできる教会が少ない事は、非常につらいことです。

さてイエス様は続けて一つのたとえ話を、食卓の上で語られました。この盛大な宴会のたとえは、人々の救いについてのたとえです。(17節)「もう、すっかり用意ができました。

この救いの宴会は天の神様により準備されています。そして罪人達は何もする必要がないのです。ただ来て食べさえすればいいのです。その食卓の上には私達に必要なものが全て並べられています。

赦し・聖め・平安・喜び・希望・永遠のいのち・・・

「さあ、おいでください」 

宗教は罪人に「・・・しなさい」「行きなさい」「払いなさい」と言いますが、イエス・キリストは全ての人に「来なさい」とおっしゃいます。人がしなければならないことは、来て信じることだけなのです。

しかしこのたとえの中で、最初に招かれた人々が来れないと弁解しています。これらの人々は何も悪い事はしていませんね。畑を買う事も、家庭生活を楽しむ事も、全然悪い事ではありません。しかしこれらの人々は、最良のものを拒否し、二番目のもので良しとしていたことが問題でした。

今日、十字架を通しての福音の招きを拒否する人々の大部分は、はなはだしい不正行為に関わっているのではありません。ただあまりにも日常生活の些細な事柄に関わりすぎ、忙しすぎて、自分達がしている事について、自分の人生について、いのちについて、真剣に考えられなかったのです。

彼らは断りました。すると主人は多いに怒りました。そして最初に招いた人の代わりに他の人を招きました。主人の僕は、町の大通りや路地裏の隅々を駆け巡り、貧しい人や、不具の人や、盲人や、足なえの人を招いたのです。

貧しい人たちは自分達の必要を知っていました。彼らは寂しく、飢え乾いており死にかかっていたのです。彼らは招かれて言ったでしょう「あまりにもありがたすぎて・・・」

勿論、このたとえで招きを断ったのはユダヤ人のことです。そして受け入れたのが異邦人です。このたとえを聞いたパリサイ人は怒りに満ちたと思います。

皆さん、「恵み」とは「無償」ですね。行いがゼロです。これをたとえて言いますと、

内申書がトップクラスのAが有名高校を受験しました。しかし失敗して落ちました。ところが数日後、通達が来たのです。「あなたは次点でしたが、ラッキー賞として合格致しました」との内容です。

成績があまり良くないBも、同じ高校を受験していたのです。そしてBにも通達が届きました。「あなたの成績は500人中500番でした。しかしラッキー賞により合格です」

まあ、こんなことはありえませんね。どうでしょう、二人の心境は。Aは喜んだでしょうが、Bを見てショックだったと思います。ラッキー賞という同じ恵みをもらっても納得いきません。

Aは納得できないので入学を断りました。

このAがパリサイ人や律法学者達なのです。彼らはどの誰よりも律法を守ることに、命をかけていました。熱心だったのです。しかしイエス様が登場して、律法を守れない罪人を赦している。そしてあげくのはてに、恵みに行いはいらない。信じるだけでいいと言い出す。信仰だけ?行いはいらない?彼らにとって、恵みを受け入れられなかった理由がこにあります。

今日、教会の中でパリサイ人的クリスチャンが山ほどいます。恵みによって救いを受けたのですが、いつのまにか教会という狭い交わりの中で、イエス様のためにという大義名分を掲げて、信仰によるのではなく、行いが中心となり、実績が重んじられ、より多くささげる者が尊ばれているのです。もう話になりません。人へのあわれみは何処へいったのでしょうか。

悔い改めて、律法主義から解放されますように祈ります。

イエス・キリストはあなたを愛しておられます。

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