はれるやです。皆様お元気でしょうか。

今年の夏は非常に厳しいですね。都会ではアスファルトやコンクリートで覆われているためでしょうか？大阪は特に自然が少ない都市ですので、自然がもたらしてくれる「涼」はあまり期待できません。車の排気ガスやクーラーの排気も加わって、毎晩のように熱帯夜です。皆様ご自愛下さいませ。

ずいぶん前ですが、道路のアスファルトを破って大根が生えてきたというニュースがございました。「ど根性大根の大ちゃん」と命名されました。命の力はすごいです。そしてうちの教会にもそのような事が起こったのです。隣の１２坪の土地が与えられたのですが、一面の雑草が生い茂り、毎日のように野良猫がうんこをしに来るのです。その悪臭がヒドイので、猫ちゃんには悪いのですが、草を刈り取り一面セメントをしきました。当分は自転車置き場となります。

ところが数日たって、な、なんと！そのセメントをブチ破ってニラが生えているではありませんか。それも至る所に。本当に驚きました。植物の根の力は素晴らしく強靭でした。本文の中に「愛に根ざす」とあります。私たちもどれだけ上から踏みつけられセメントで固められようが、ど根性のニラの芽が出て成長したように、あらゆる妨害や困難というセメントをブチ破る「愛の根」が存在しているのです。そこから豊かに成長して実を結んでいくのです。

さて、最近読んだ本の中に「お金ではなくいのちです」があります。あの有名な「ＭＫタクシー」の副会長の青木秀雄というクリスチャンが書いた本です。なかなかの良書だと思います。この会社の理念というか営業方針が、実に聖書的というか、人を大切にしているのです。（従業員・お客共）

最初は１０台からはじめたタクシー会社が、今では１５００人を超える企業に成長しました。そして多くの苦労と周りからの妨害を乗り越えられたのは、人のいのちとサービスを一番とする信念があったからでしょう。この会社は他のタクシー会社とは全く異なった社員教育をしたのです。

当時（３０年前）のタクシー業界は、仕事そのものが見下げられていた時代です。昔から雲助と呼ばれ、蔑まれてきた職種です。しかし、青木さん兄弟は、この仕事は人様の命を運ぶ重要な仕事であると教育しました。そして社員に自負心を植え付ける作業をはじめたのです。

その第一歩が挨拶の徹底だったのです。４つの挨拶…「ＭＫでございます。ありがとうございます」「どちらまで参りますか」「私はＭＫの○○でございます」「ありがとうございました。お忘れ物はございませんか」

そして運転手がこの４つの挨拶をしなかったら料金はいただかないとの、会社の方針を貫いたのです。最初の頃は内側からの反発で従業員は辞めていくし、外からもひやかしとあざけり・妨害が絶えなかったのです。

しかし、京都市民の反応がすごく良く、多くの人々がＭＫタクシーを選んで乗車しだしたのです。そしてマスコミにも注目され、ＭＫから始まった小さな親切運動は、世界へと広がっていきました。世界中の企業がＭＫを学ぼうと、会社訪問をしに来るのです。

また、ＭＫは「身障者優先」という大きなステッカーがドアに貼られています。おまけに身障者の方は１０％割引だというのです。そこでまた社員教育です。身障者を助ける方法・車椅子を広げたたむ方法・背負う方法・懐に抱く方法・乗車下車を助ける方法等。

また５００円タクシーをはじめたのもＭＫです。このようなＭＫのサービス精神はキリストの教えから来ていると感じています。この本を見ますと、「良い会社ほど不平不満を多く受けます。それはその会社に対する期待が大きいからです。普段あまり勉強ができない生徒が、少しでも良い点を取れば誉められますが、いつも百点を取る生徒が一つ二つ解答を間違えると、叱られるということと同じです。認められた人は社会に対する責任が重くなるのです」

同じ様に、私たちクリスチャンはよく言われます。「クリスチャンのくせに…」と。「仏教徒のくせにとか、創価学会のくせに」なんて、あまり聞いたことがありません。それはクリスチャンの道徳的・霊的レベル・品性が、世間一般で高く評価されているからだと思います。

また別の個所を引用しますと、「私たちが我慢できないことを我慢し、堪えられないことを堪えなければならない理由は、『私はＭＫ人だ』ということ。それだけではありません。『そのようにしなさい』と言われて仕方なくそうするというのは、初歩的で幼稚な段階です。仕方なくする事で人を感動させる事はできません。しかし、我がＭＫの親切とサービスは、人々の感動を呼び起こしています。この感動の原因がなによりも、心から湧き起こる自発性にあるということを言いたいのです。それがあって初めて人々に感動を喜びを与える事が出きるのです。」

一つの実例として、一人の、自殺しようと東京に出てきた若い女性が、偶然に東京にたった８４台しかないＭＫタクシーに乗りました。そこで受けた真心と尊敬を込めた挨拶と親切・好意的な言葉遣いにより、彼女はそれだけで感動し自尊心を復活させ、自殺を思いとどまり新しい人生を踏み出したのです。

ＭＫ精神の根本は人への愛なのでしょう。私たちクリスチャンは、まだまだイエス様の愛の深さ・広さ・高さを十分に理解していないようです。私たちが神様の愛を知るには、祈りとみことばによって知る事もそうですが、やはり神の愛を体験し深く知った者が、隣人に愛をもって接する時に知ることができます。そこに感動が起こるのです。

私たちは地上において、関係の中に生かされています。決して一人では生きることができないのです。身近な所では、両親や先生・友人・配偶者・子供に支えられ励まされて生きていけるのです。

また私たちは日々の生活に欠かせない食物・洋服・通勤に使う電車・鉛筆等々、それらを造った人・流通してくれた人に感謝すべきでしょう。それらの人々がいるので私達の人生があります。神様にも感謝し、人々にも感謝する事はよい事です。

さて、ＭＫの青木さんは、社員たちに自負心と自尊心を植え付けるのに成功しました。タクシーという仕事は人の命をあずかる尊い職業であると。たった一つのタクシー会社の変化が、周りに大きな影響を与えたのです。

私たちは神様の愛を知っている者です。神様の子としての自負心と自尊心を持って下さい（勿論、いやらしい選民意識ではない）
神様と隣人に真心からの感謝を持つ人は、人々に真心からの親切や挨拶・善が行えるのです。人々はあなたの小さな親切を待っているのです。お互いに心が揺り動かされる、感動の満ちた人生を送りましょう。

神様はいつもあなたと共にいて命を供給しつづけて下さり、私たちの思いや考えをはるかに超えて、豊かに施して下さるのです。

愛に根ざした人生はあなたのものとなるのです。アーメン。

イエス・キリストはあなたを愛しておられます。