メッセージ１６
「権威なんかいらない」
今日、全世界的に多くの人々が、キリスト教会に失望して離れていきました。
その主な理由は、「権力」であると思うのです。
イエス様はどうでしたか? 彼は神としての権力にしがみつくことなく、ご自分を無にして十字架に架けられたことを、私たちは忘れてはならないのです。
キリスト教界の歴史の最大の皮肉のひとつは、指導者たちがイエス・キリストの名を語りながら、権力の誘惑、すなわち、政治的・軍事的・経済的・あるいは道徳的、そして霊的能力という力の誘惑に、絶えず負けてきたという事です。
この権力を、福音宣教の有効な手段であると考える誘惑は、強烈なものです。
神と隣人への奉仕のためなら、権力を手にすることはよいことだと、よく耳にします。
これらの考えで、十字軍が結成され、宗教裁判が行われ、沢山の人々が殺されました。
また、同じ理由から、インディアンを奴隷とし、荘厳な聖堂や華やかな神学校が建てられたのです。
イエス様は言われます。「あなたは、わたしを愛するか」そのとき多くの教会の指導者たちは、逆にイエス様に問いかけているのです。
「私はあなたの御国で、あなたの隣に座ることができますか」
大昔サタンが「あなたがたがそれを食べるそのとき、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり
善悪を知るようになる」とアダムに語りかけて以来、６０００年の間、人々はずっと、愛を権力に置き換えるように誘惑されつづけてきました。
今日、教会の中で独裁的な牧師は、数え切れないほど存在します。そして彼らの多くは孤独なのです。
自分と家族、自分と兄弟姉妹の間に垣根を作り、距離を置くことが必要であると、考えています。
しかし、イエス様が１２弟子を二人一組で宣教に遣わされたことを忘れてはならないのです。
神の教会においては、各々が（牧師も含めて）互いに支え合い、祈り合い、奉仕し合うことが大切です。
聖書的に言えば、牧師が孤独であってはならないのです。
私達は教会の中で、相手を知ると同時に自分が知られ
世話をすると同時にこちらも世話をされ、赦すと同時に自分も赦され、愛すると同時に愛されるのです。
これらのことを導くのが、牧師の役目なのです。
牧師を含め、一人びとりが傷つきやすい存在です。
自分の信仰と疑い・希望と絶望・喜びと悲しみ・勇気と恐れを、いつでも他の兄弟姉妹たちと分かち合える教会ってすばらしいですね。
日本の新興宗教の中に、創価学会がありますが、１０００万人の信徒がいるとのことです。
すごいじゃないですか。聞けば、座談会というものがり、数名が輪になってお互いに身の上話をするのです。
困っていることやつらいこと等、真剣に話し、それを親身になって聞いてあげる、というのです。
人が増えるはずです。
教会でもそれらを取り入れたらいいんじゃないかと思います。
私が任せられている教会は、小さな教会です。
人数も少ないです。単立ですから、どこからの援助もありません。
だから結婚式のお仕事をさせてもらっています。
教団に属さないので、ホントに自由です。
こんな変わった牧師もいていいんじゃないかと、思っています。
勿論この教会をとうして多くの人々が救われたらいいと願っています。
以前は大きな教会を見ると、正直「うらやましいな」と思ったこともありましたが、今は違います。
「うちの教会にこなくても、人々が救われるように祈り、種をまき、奉仕しよう」と変えられました。
焦らず、全てに感謝し、神様と人に仕えることが大切なんですね。
私は過去、何度か韓国に行き、大きな教会の礼拝に参加したことがありました。
日本では考えられないことですが、ひとつの教会に所属する信徒数が、２０万人いるというのです。
１万・２万人集まる教会はざらにあります。
日本と違い韓国では、牧師はＶＩＰ扱いです。
地位も名誉もお金もあります。
運転手つきの高級車に乗っている牧師も沢山います。
日本は、「牧師先生」て言いますが、韓国では、「牧師様」なんです。何で「様」なんかつけるの？と言いたいです。イエス様がおっしゃいました。「あなたがたは先生と呼ばれてはいけません」ですから、ホントは「牧師先生」と言うのも、おかしい話になるわけです。
韓国では、人気のある就職先は教会であり、牧師なんです。
お金もいいし、人からも尊敬されるからです。
皆が皆そうではありませんが。どっかおかしいですね。
「寄らば大樹の陰」的な発想で、大きな教会に行く人がいます。
しかし、すでにクリスチャンであるあなたに言いたいです。
信仰は教会単位ではありません。個人単位なのです。大きいからといって信用はできませんよ。
私が思いますのに、ひとつの教会に沢山集まるより、初代のキリスト教会のように、「家の教会」が、それぞれの地域にくまなく増え広がるほうがいいんです。
もう教会の会堂の大きさや、信徒数を競い合うのはやめにしませんか。
独裁的に講壇の上から見下ろすのではなく、下に降りてきて、皆同じ兄弟として仕えてみてはいかがでしょうか。
権力は人を変えることはできません。
本当に人を変えるのは、しもべとしてのイエス様に習うときにのみ可能なのです。
その全ての動機は「愛」です。
アーメン。
イエス・キリストはあなたを愛しておられます。
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