メッセージ２０

「弱いことはいいことだ」

皆様､あけましておめでとうございます。
　2001年を、皆様とともに無事に迎えられましたことを､主イエス様に感謝いたします。
　今､自分自身を振り返ってみて、本当に私ほど罪の誘惑に弱い者はないと痛感しております。
だからこそ、救われたのでしょう。
　今から22年前､私は劇的な回心をさせていただきました。
創造主の火のような愛に触れたのです。あまりの感激に30分間泣き続けました。
　しかし、救われて間もない頃､非常に極端な信仰を持っていました。「これからはイエス様だけで生きていくんだ。もう何もいらない。結婚もしない。」なんて、真剣にそう思っていたんですから。
　その頃メッセージに、アブラハムがその息子イサクをささげる場面を聞いたのでした。その時私は、ふとこう思いました。「よし。もし私が結婚して子供ができて､アブラハムのような立場になったら､喜んでささげなければ。」と。
　しかし、月日が経ち、妻が与えられ､子供が与えられますと､アブラハムの信仰のすごさを理解することができたのです。「とても自分の子供を殺すことなんてできない。絶対に無理だ。」
　自分の弱さを、身にしみて感じている今日この頃です。
　私自身結構まじめなほうなので（？）､救われた当初は､忠実に聖書の言葉に従おうと努力しました。
それなりの満足感はありました。しかし、これはあくまで自分の自己満足に過ぎなかったのです。
　ですから、教会の中ですぐに人を裁くようになっていったのです。
長年やってきた酒・タバコ・ばくちは、神の恵みでやめることができました。
しかし、それらがキリスト信者としての条件のように錯覚してしまい､クリスチャンになってもやめることができない人々を、心の中で軽蔑し裁いていたのです。
　実は、クリスチャンって全てのことにおいて自由なのです。
私は､人を裁くことのほうがはるかに大きな罪であることに気づきました。
ある時から私の考えは変わりました。
イエス様を信じて一滴の酒も飲んでいませんでしたが､それ以来昔の友は離れていきました。
　しかし、考えを変えてから､彼らとの付き合いを再開したのです。
彼らの救いのためにです。
最初の頃は､酒の席でイエス様のお話しをするなんて、とんでもないと思っておりましたが､相手が真剣に聞いてくれるのです。
勿論アルコールにおぼれては何もなりませんが。
　話は変わりますが､この世の中､自分の弱い所を見られたら負けの世界です。
ですから人々は､それをひたすら隠し、虚栄を張らなければなりません。これがまた疲れるのです。
　クリスチャンの世界は違います。お互いに、自分は弱い者であることを自覚している世界です。
事実、皆が本当に弱いんですから。偉大な使徒パウロは「喜んで自分の弱さを誇りましょう」と語っています。
　このパウロは、人間的に、人格的に､能力的に､そして聖書の言葉を守ることにおいて、ほぼ完璧に近かった人物だと思います。彼が伝道すると､人々が次々と回心し､また奇跡も起こりました。順調すぎるほど順調でした。
ところが、一つの出来事が彼を変えたのです。
　アテネの伝道が､大失敗だったのです。彼はノイローゼのような状態でコリントの町にたどり着きました。
そこで「わたしはあなたとともにいる」という神の言葉を聞いたのです。
　それで彼は大安心になり､主が共におられれば何もいらない､という心境になりました。
彼はまた大胆に福音の言葉を語りだしました。
沢山の魂が信仰に入りました。
　もし、あの時神の声がなければ､パウロはアテネで終わっていたでしょう。
そして彼の書いた手紙も聖書にならなかったと思うのです。
彼はアテネの出来事により､初めて自分が弱い者であることを、体験したのです。
　私達クリスチャンは、弱いから祈ります。
弱いことは決して恥ずかしいことではありません。
弱いからこそ、全面的に主イエス様に頼れるのです。
　私の次男（望）が２歳位の時でした。公園に行って小さな岩山に子供が上りました（高さ２メートル位）
望は私を見るやいなや、何のためらいもなく､私めがけてジャンプしたのです。
この時の子供の心は、全面的に親を信頼していたのでしょう。
　主イエスは、「弱いままでいいよ」と語ってくださるのです。
あなたが今､クリスチャンであっても、ノンクリスチャンであっても、どうぞいつでもイエス様の懐の中に飛び込んでみてください。
今年､あなたが主イエスに触れられますように！
イエス・キリストはあなたを愛しておられます。