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メッセージ58

「家族の救い」

はれるや！

最近、日本も本当に物騒になってきました。凶悪犯罪の増加、それも昔と違い動機がわからない場合が多いと言います。
場当たり的な、計画もない、恨みもない、相手が誰でもいい、そのような殺人事件が増えているのです。
その根底には、自分のいのちを軽く見ているので、他の人のいのちも軽く見えるのでしょう。

私は今、日本の多くの家庭の中に崩壊の危機が迫っていると感じるのです。その一番の原因はテレビゲームです。
仮想世界（バーチャル空間）の中で、あらゆる武器で攻撃をして敵を殺していくゲームに人気があります。
それは益々立体的で、映像もリアルです。ピストル等への弾の装填の音も、本物の音のようです。
問題はバーチャル空間で人を殺しても、犯罪にはならないということです。そして自分がこの世界で殺されても、何度もリセットできるのです。つまり、いのちのリセットが可能なのです。
しまいには、バーチャルの世界と現実の世界の境界があいまいになり、自分は今どちらの世界にいるのかさえ、わからなくなってくることが恐ろしいのです。
このことは、子供だけではありません。たくさんのいい大人がゲームにはまっています。

今、日本はより便利な国、飽食な国となっています。大量生産・大量消費、どこにでもあるコンビニエンスストアの存在、自動販売機の設置台数は勿論世界一、銀行に行ってもキャッシュディスペンサーで事足りる。
これでは益々人と人との触れ合い・コミュニケーションがとれなくなってきます。
ゲームの（仮想現実の世界）中での生と死は、興奮と面白さはありますが、痛みはありません。
人はもっと、いのちそのもの、生と死について学び体験しなければならないと感じています。

イエス様はどうでしょうか。イエス様はいつも、小さい者・弱い者・虐げられている者・痛み苦しんでいる者と共におられました。痛みの只中に神様が宿られたのです。私たち人間は痛みを通して初めて命の尊さや意味が理解できるのです。
小さな幼児でさえ､けがをし血を見ると、本能的に恐怖に怯え、泣き出し、その血を止めようとします。

ゲームに夢中になっている人々よ。あなたに言います。頭がおかしくならないうちに止めなさい。
お父さんとお母さんに言います。子供たちがゲームのとりこにならないようにしてください。イエス様におまかせして祈ってください。

さて、「心の時代」と言われて久しいです。人々は心の大切さに気づき始めています。今こそ教会にとって、伝道のチャンスです。
聖書はいいですね。聖書の記者は、決して登場する人物を美化して描いていません。むしろ人の負の側面・泥臭さ・罪の現実を、包み隠さず描いています。例をあげましょう。

＊アダムとエバ（カインとアベル）
人類最初の家庭であるアダム一家はどうだったでしょうか。つらいことですが､人類最初の家庭内殺人事件が起こったのです。
＊両親の分裂的愛の家族（イサク一家）
親のえこひいきにより、弟は兄をだまし、家庭が崩壊してしまいました。
＊あの有名なイスラエルの王ダビデ
姦淫と殺人の罪を犯し、自分の腰から出た息子によって、王位を追われたのです。
＊ヨブの家族
彼は正しい人で、神を信じる者でした。子宝に恵まれ､財産も豊富で､富豪と言われました。ところが、ある日突然、一瞬にして財産・子供・自分の健康を取り上げられてしまったのです。
この時ヨブは一人、灰の中に座って体中に出来たできものを、土器のかけらでかきむしっていました。
その姿を見てヨブの妻は言いました。「神を呪って死になさい」と。彼女はヨブを捨てて逃げてしまいました。
聖書には書いていませんが、ヨブのこの時の心情は耐えられないものだったでしょう。
ヨブ記には、神様と悪魔の会話が記されています。悪魔の主張する所の根底にあるものは、「ヨブは健康や財産・子供など、この世のよきものに恵まれているから、それと交換に神を信じているのだ」という交換的信仰（律法主義的信仰）
だと。
実はこの考え方は、今日の律法主義に支配されている、キリスト教会と同じですから恐ろしいです。
「今、健康でそこそこ財産もあり幸せなのは､私がいつも神に祈っているから。献金もまじめに什一献金をし、日曜日は休まずに礼拝に参加しているからだ」これは悪魔の主張と同じです。
このような考えをしている信徒達がいる教会の牧師は、決まってこう言います。
「痛いほどささげましょう、祝福されますから｡あなたが、家族が守られるように、もっと祈りなさい。伝道しなさい。奉仕しなさい。」
しかし神様はあわれみ深いお方です。このような律法主義に満ちた教会でも、イエス様の十字架の救いを述べ伝えて信じているなら、救われるのですから。

　以上、ほんの少し取り上げてみましたが､聖書に登場する家庭は、あまり幸せとは言えません。（全てがそうではありませんが）
さて、（エペソ書２：１９）「こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。」とあります。
ここでイエス様を信じる人は皆、家族同様なのです。
しかしまずは、血肉の家族が一番です。
話はズレますが、私自身、挙式の時はもう、とびっきりの笑顔で講壇に立ちます。何ヶ月かカップルへのアンケート調査したときも、「牧師の笑顔がよかった」が多かったのです。自分でも笑顔だけは自信があったのです。
ところが、先日妻と喧嘩しまして、強烈な皮肉を言われました。「あんたなあ。一回でエエから、結婚式場で見せる笑顔で、家族に接してみいや」
私、その場で悔い改めました。「そうやなあ」

さて本日のみことばですが、この言葉は真実です。
ある教会で牧師から「あなたはクリスチャンだから天国に行けるとしても、ノンクリスチャンの親子・兄弟は地獄に行くのです」と指導され､うつ病になった人がいます。
「もっと他に言い方があるやろ！」

救いは、あくまでも個人の信仰告白です。しかし個人の信仰を家族共同体と結ぶことは大切だと思います。
皆さん､一人が信じて救われたら､その兄弟も親も子も、いとこも祖父も祖母も、叔父叔母も、親族一同全部救われていくのです。アーメン。
イエス・キリストはあなたを愛しておられます。

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