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メッセージ60

「ありのまま」

はれるや！

最近のニュースで、東京電力や日本ハム等、隠ぺい工作（会社ぐるみ）が暴露される事件が多いですね。
いわゆる、バレなきゃいい世界です。人々は一体何を信じて生きていけばいいのでしょうか？
しかし、犯罪を犯した彼らを責めている私たち自身も、心のどこかに「自分さえ良ければいいんだ。バレなきゃいいんだ」という、悪の根が存在しているのではないでしょうか。
聖書には､神の子供たちについて「世の光､地の塩」としての責任があることについて語っています。

クリスチャンは、本当の意味での「謙遜」を知っている者であると思います。
（マタイ１８：４）「だから、この子どものように、自分を低くする者が、天の御国で一番偉い人です。」とありますが、
自分を低くする（謙遜）とは、自分を必要以上に卑下し､出来ないだめな人間だと表現することではありません。
自分をありのままに見つめ、自分はそれ以上でもそれ以下でもないと認識することなのです。
化粧をしていない自分の心の素顔を知り､それを受け入れて生きていくこと、自分の心の中の醜い部分から目を背けないことです。

モーセは神の山ホレブで神に出会いました。その時彼は神に対して「何という名前ですか？」と尋ねました。神は答えました。「わたしは、あってある者」つまり、そのままありのままの方という意味です。これは同時に、神ははじめも終わりもないお方と言えます。
今までに何度も私たちの「ありのまま」を受け入れてくださる神様について語ってきました。「謙遜」とは、「あってある者」そのままだと信じます。
しかし私たちは、相変わらずありのままに生きるのが苦手です。

私事ですが､私自身、独身時代に妻と出会った時、何度かデートをしました。当然のように身だしなみを整え、髪を必要以上にセットし、口には口臭予防のスプレーをふりかけて、普段のだらしない自分をひたすら隠してデートに出かけました。
しかし結婚をして初めて妻は、私のだらしないところを次から次へと発見していくのです。同時に私も妻に対しては､発見の連続でした。(^o^;)

さて私達は、天国の一番いい所に行くために、地上で謙遜の限りを尽くすのでしょうか。イイエ。そんなことはどうでもいいことです。天国の隅っこの掘っ立て小屋で十分です。
ちなみに私の持つ名刺の中身はこうです。

左上に教会のロゴマークがあり、上部に小さく「イエスキリストはあなたを愛しておられます」その右横に私の若い頃の写真があります。そしてその下に教会名と私のフルネーム、その下には電話番号と携帯の番号。その下には「八尾市立亀井中学校心の教室相談員」（ほとんど名前だけですが）その下に「八尾サンボラム用務員」そしてホームページとメールのアドレスを載せています。
その中で私の一番のお気に入りは、「用務員」なのです。
私の名刺を受け取った方は、一応に驚きます。
牧師は用務員でいいんです。人々に仕える存在だからです。私は自分の出来る限りのことを（勿論、神と共にすることですが）弱り苦しみ助けを求めている人々にしてあげたいのです。アーメン。それが楽しいのです。

私たちは、ありのままを生きようとする時、時にわがままになることもあるでしょう。失敗もします。
言い換えれば､自分の弱さを暴露することですから､勇気も必要です。
特に教会の中では、リーダー（牧師）は、自分がいかに弱い存在であるかを、率先して示していくことが大切なのです。牧師が隠していては、何も起こりません。牧師達よ、今こそ勇気を出してあなたの弱点を告白してみてください。あなたの教会は変わりますよ。あなたは弱くていいんですから。

ある教会で、牧師が一つの事柄（自分が持っている問題）
について語りました。肉の思いとしては絶対に言いたくないことでしたが､心に強く示されて語りました。とても勇気のいることでしたが､神様に背中を押されるように自然に語れたのです。彼は涙を流しながら証ししだしたのです。
実は、そこに集まった全員が、同じ問題で苦しんでいたのでした。そして一同が完全に解放されたのです。ハレルヤ！
私が思いますのに､教会でしばしば行われる証しというものは、罪に勝利したとか、祝福されたこととか､恵まれたこととか､奇跡を体験したとか､それだけが証しではありません。むしろ、罪の誘惑に負け自分の弱さを告白することは、もっと素晴らしい証しだと信じます。それが人々を解放に導くのです。
私たちは教会で、どんなに苦しい時でも笑顔を絶やさないように教えられてきました。それはいいことだと思います。
クリスチャンは、いつも前向きで喜びに満ち、ニコニコしていなければならないと考えています。

ある教会で葬式がありました。牧師は講壇から語りました。「天国の希望があるから､あなた方は泣いてはなりません。証しになりませんよ。こんな時こそ笑顔で見送りなさい」と。
私は反発しますよ。愛する人が亡くなって悲しい時は、思いっきり泣いたらいいのです。

今日、多くのクリスチャンの夫婦が、日曜日に教会に来る途中、喧嘩をしながら教会にやってきて、入り口に差し掛かると作り笑顔で入るのです。そしてそのまま何の解決もすることなく帰るのです。これではおかしいでしょう。
問題を抱えてやってきて、ありのままを出して、自分のドロドロとした感情を打ち明け、助けと癒しを得る場所、教会とは本来そういう所なのです。
教会は赦された者の集まりです。しかし多くの教会で信徒は、自分の本当の姿を見せようとせず､本来の交わり（コイノニヤ）から遠く離れている事は事実です。

さてモーセが十戒の板を頂いてホレブ山から降りて来た時、彼は神と共に４０日間いましたので、その顔は神の光を受けて輝いていました。イスラエル人達はあまりにも輝いていたために、まぶしくて顔が見えなかったほどでした。そこでモーセは顔にベールをかけたのです。しかし、モーセの顔の輝きは日に日に弱くなっていきました。彼が顔に覆いをかけた理由、それはモーセの顔から光がなくなっていくのを、モーセ自身、皆に知られたくなかったからです。このことは自分の弱さを隠すためのモーセの失敗でした。そんなことをする必要はなかったのですから。
皆さん。弱さを隠さなくていいのです。
教会でも、家でも、職場でも、学校でも、どこででもありのままの自分を表しましょう。
あなたは、あなたなんです。はれるや！

イエス・キリストはあなたを愛しておられます。

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