「光の子」

先日、群馬県の知人の牧師先生のご長男が、うちの教会の礼拝にこられました。実に15年ぶりに出会ったのです。当時は小学生であったので、立派な青年に成長した姿を見て、感動しました。そして、聖書学院に入ると言うことを聞き、二度感動です。うれしかったですね。彼のお父さんのほころんだ顔が想像できました。
今年、長男が中学生になり、ある日子供のリュックを整理し
ていたら、一枚のプリントが出てきました。それは学級内で
自分を紹介する用紙でした。
好きな食べ物やスポーツ・科目等の項目があり、・尊敬する人・なりたい職業の欄もありました。それを見ると、尊敬する人（父）・なりたい職業（牧師）と記してありました。
イヤー、すごく嬉しかったですね。しかし私の心は複雑でした。
創（はじめ）は絵を描くのが上手なので、漫画家になってほしいと思っていました。全く牧師になってほしいとは思いませんでしたから。思わず私は心の中で叫びました。「はじめ。苦労するデー！やめとき」

あるクリスチャンの精神科の先生が語っています。
「信じて間もない頃は信仰を特別視し、信仰者は特別な恵みに与ったが故に、病や人生の苦悩から守られるのが当然のように思っていました。しかし、臨床経験を重ねると共に、必ずしもそうではなく、病や苦悩という体験の中で、人はいかに生き神の恵みを深く知るのかということも、大切ではないかと思うようになってきました。」また、「信仰で苦悩がなくなるのではないこと、『エリ、エリ、レマ、サバクタニ』とキリストが十字架の苦痛と恐怖の中で『わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか』の叫びに見るように、キリスト教とは死の苦痛に対してきわめて現実的であること。キリスト教信仰とは、、強く見せようとしてその苦痛を押し殺すことではなく、むしろ反対に自分の弱さを認めること。自分自身の力よりも神の恩寵に信頼を置くことが、その信仰なのです」と語っています。

今、多くのキリスト教会で、自分の弱さをひた隠すことが常識となっている現実があります。
お互いの信頼関係がないと、自分の弱さを告白することは出来ません。「愛する」とは、自分の弱さを素直に認めること。そして強く見せようとしないことです。そして病や苦悩といった一見「負」と感じることを通して神が大きく自分に働きかけ、人生の真理を教えてくださることを知ってください。

クリスチャンは様々な信仰の体験を通して成長します。
＊苦悩を体験しなければ理解できないことがあります。
＊病気を体験しなければ理解できないことがあります。
＊苦痛を体験しなければ理解できないことがあります。

苦しいとき私達は、神の前にひざまづいて切に祈ります。
そんなとき、偉大な神を見上げてください。そして広大な自然を見てください。
宇宙はなぜこんなに広大なんですか？聖書には人の心に無限の思いを入れるためだと書いています。つまり人間は永遠の存在であり、終わりがないということを教えるためだと。
ある本を見ますと、「今肉眼で見えている～座の～星雲の～星の発する光は、１億年かかってやっと地球に届いて見えているのです」と書いていました。つまり、光のスピード（１秒間で地球を7周半回るスピード・1秒間に30万・、1時間で
10億8千万・）で、1億年かかる距離のところに存在している星があるのです。勿論もっと奥にある星がありますし空間も続いています。ですから今見えているその星の光は、1億年前のものを見ているわけです。考えたら気が遠くなりますね。
これ又余談ですが、おもしろいことに宇宙は、どこかを中心として外に向かって膨張しているそうです。その膨張スピードはどれだけのものかわかりませんが、そうだとすれば、地球は自転しながら月を引き連れ、太陽の周りを1年かけて楕円を描きながら回ります。
普通なら1年たてば再び1年前と同じ空間（宇宙的同一座標）に戻るはずです。しかし現実はそうではありません。常に宇宙が膨張しているので、二度と同じ空間を通らないのです。常に初めての空間を通過していくのです。すごいです。

神様は、小さな惑星地球の中で小さな問題で苦しんでいる私達に、こう言っているようです。
「安心せえよ。あなたは永遠に生きいよ」
無限の宇宙をコントロールされる広大な神を見上げましょう。
イエス様がご自分の体を張って、私達を助けてくださったではありませんか。イエス様にお任せしましょう。はれるや！

さて、私達は自分の弱さをさらけ出して生きるということに対しては慣れていません。特に教会の中では、執事や牧師・神学生という肩書きがつけば、なおさら隠す傾向にあります。
今回のみことばは、実に私達の痛いところをついています。
「光の子は光の中を歩む」のです。
本当の意味でのクリスチャンの持つ「謙遜」とは、光を愛し、なにも隠さず、ありのままの自分を人々に見てもらうことです。これは勇気がいりますよ。プライドはズタズタです。でもそれでいいんです。はるかに勝る喜びと恵みが、その中に存在するのです。
教会の中で、みながそうであったなら、世界が変わります。
偉そうにする牧師や長老はいなくなりますし、互いに弱さを認め支え合う、最高の教会となるでしょう。
「人にはできないことが、神にはできるのです」
アーメン。

イエス・キリストはあなたを愛しておられます。