「パッション」

はれるや！

映画「パッション」を見ました。

驚きました。ショックでした。なんで今までこのような映画が、世の中に登場しなかったんだろう?　とさえ思いました。

もう最初の画面を見たときから、私の目はなぜかウルウルしているのです。２時間ズーット、涙がにじみつづけていました。時々「ウッ、グッ。」と泣くのをこらえました。

その時思いました。一人で見たいと。なぜなら、誰にもはばからず、思いっきり泣けるからです。

イエス様の受けられたお苦しみは、こんなにもムゴク、エゲツナイものだったのか？！

監督のメル・ギブソンはコメントしています。

「キリストが我々の罪を償うために、味わった恐ろしい苦難を目撃する事で、人の心の奥深くに、希望・愛・赦しのメッセージを届けたかった」

「人生は大変です。みんな傷ついています。私は自分の傷をいやしてもらうために、キリストに近づいたのです。そして聖書を読み黙想をし祈った時、初めてキリストがどんなところを通ったのかを知りました。それは『犠牲』です。イエスが自分自身のためにではなく、私のためにどんなに苦しめられたのかを知った時、この方に希望があるはずだと思ったのです。私の傷はイエスキリストによっていやされました。その傷を人々に語りたかったのです。」

映像の力はスゴイです。正直この映画を見るまでは、「この映画はクリスチャンは理解できるが、ノンクリスチャンはむりだろう」と思っていました。

しかし、映画館の至る所で、泣いているではありませんか。

４０にひとつ足りない数の鞭打ちの刑は、私の想像をはるかに超えた悲惨なものでした。背中だけでなく、ふとももの裏も、ふくらはぎも、後頭部も、血で真っ赤になっていて、鞭の先についている金具が、容赦なくイエス様の背中に食らいついて、背中の肉を引きち切っていくのです。（今、私は泣いています）

前日から執拗な尋問を受け、祭司達や兵士たちに嘲弄され、頭を叩かれ、平手打ちを受け、蹴り倒され、侮辱を受けつづけられたのです。

一睡もしないまま、凄惨な一夜が明け、ドロローサの道をイエス様はボロボロな状態で、大きな十字架を担がれました。

その道は、坂道で長いのです。何度も何度もイエス様は倒れるのです。固い石畳の上に、手でかばう力もなく顔面から落ちていくのです。そのみ体の上に容赦なく十字架がのしかかるのです。

倒れるたびにローマ兵はイエス様を鞭で打ちます。何度も何度も。私はあんまり辛いのでおもわず心の中で「もうやめろ！」と、映像の中のローマ兵に叫んでいました。

この映画は、私の十字架理解を根底から覆してしまいました。

メル・ギブソンはカトリックなのでしょうか？　イエス様の母マリヤが頻繁に登場します。

特に印象深かったのは、十字架に付けられてから６時間後、午後３時にイエス様が完全に死んでいるかどうか、ローマ兵の一人が確かめるために、イエス様のわき腹を槍で突いたのです。聖書では水と血が出た、とあります。

映像では、イエス様の体からまるでシャワーのように水だけが吹き出て、ローマ兵の顔面を直撃するのです。

心臓を刺されて、水と血が分かれて吹き出たという事は、死ぬまでのお苦しみがどれだけスゴイものであったのかを物語っています。

この映画には、表面上の十字架に至るまでの苦難を映し出していますが、イエス様の内面の苦しみには、あまり触れていないようです。

キリストの十字架は、全ての罪人の身代わりのいけにえであります。

ここで皆様に理解してほしい事は、肉体的な苦しみだけではなく、イエス様にはプラス霊的な苦しみがあったということです。十字架の上では、全人類の犯した罪の重圧を、一人身に受けられたのです。そして一旦、完全に父から捨てられるという恐怖がイエス様を襲ったのです。

だから「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか？！」と叫ばれています。

その瞬間、父なる神の目にはイエスキリストを、子としてではなく、醜い罪の塊としか見えなかったのです。

律法によれば、罪は必ず罰せられるのです。それはいけにえの血と死によってでしか、価を払う事が出来ないように定められていました。

イエス様の十字架は完全ないけにえとして献げられました。

ですから私達は、イエス様の十字架に何かを足しても引いてもならないのです。おわかりでしょう？

十字架だけですべてがＯＫなのです。信じる者は完全に聖い者となります。罪赦された罪人ではありませんよ。罪赦された聖人なのです。あなたはこれを信じますか?

それだけではありません。赦されただけではなく、キリストにあるところの莫大な遺産を引き継いでいるのです。つまり、キリストのいのちにあずかり、キリストと共に最高の幸せな人生を送る事が出来るのです。

もう罪責感で悩まないで下さい。もはや天の父は私達を叱りません。罰することもありません。

勿論、様々なキリストにある試練は来るでしょう。しかし勝利の信仰生活をエンジョイするのです。

神様の、神の子供達に対する愛に条件はありません。

私達が努力して罪から離れようと離れまいと、人への愛の実践が出来ようが出来まいが、悪習慣に勝とうが負けようが、賛美が出ようが出まいが、一切関係なく愛されています。

何故これだけ愛されるのですか?イエス様が十字架にかかられたから、それだけです。アーメン。　　

イエス・キリストはあなたを愛しておられます。